なぜ人は生きがいを求めるのか

「みんな何かに酔っ払ってなきゃ、やってらんなかったんだろうな」

進撃の巨人のケニーはそう言っていた。この言葉は、人が楽しいことや情熱を向けられることを探す理由を説明している。

 

しかし、なぜ人が生きがい=人生の目的を求めるのかは説明していない。

 

我々はなぜ生きがいを求めるのか。短期的に楽しめることを持つだけでは満足できないのか。

恐らく、「いつか情熱を傾けられるものが何もなくなるのではないか」という恐怖を持っているからだろう。

 

若いころにハマりまくった、スポーツ・音楽・小説・ゲーム・宴会・旅・漫画、そういったものに少しずつ興味が薄れていくのを、30歳近くになると人は感じ始める。

その年齢だと仕事に楽しみを見出すかもしれない。しかし、会社の一回り上の世代を見ると、その情熱も永遠ではないことが明らかだ。

 

人間の本能的な欲求も生きがいにはなりにくい。

食欲や性欲を満たすために金を稼いでいる人も、年齢を重ねればその欲は薄れていく。

睡眠も本能的な欲求だが、無料で時間さえあれば満たされるので目標にはならない。

 

終生情熱を傾けられるものを見つけるのか、それとも数年ごとに楽しみの対象を変えて寿命まで時間を稼ぐのか。どちらの道を進むべきかの判断も困難だ。

 

出来れば前者、つまり生きがいを見出す道を進みたい。

なぜならそちらのほうが楽しそうで、辛くなさそうだから。

 

答えは闇の中か?それとも闇の中には何もないのか?

 

おしまい